職場の安全における説明責任と関与の促進

従業員の責任感と安全性向上への積極的な参加は極めて重要です。この移行は、ヘンリー・フォードの有名な言葉「なぜ手を貸してくれと頼むと、いつも脳みそが付いてくるのか？」に象徴されるように、従業員を単なる作業遂行者とみなす時代遅れの概念からの脱却を意味します。従業員が指示に無条件に従うことを期待することは、もはや持続可能ではありません。

現代社会は、情報へのアクセスが容易になり、注意力と作業記憶力が低下し、頻繁な肯定的な強化の必要性が高まっていることが特徴です。研究によると、人間は変化を合理的に処理する前に感情的に反応することが多いことが示されています。こうした社会的・心理的な変化を踏まえると、安全規制、方針、手順、個人用保護具（PPE）の要件遵守を徹底するための従来の方法は、もはや有効ではなくなってきています。

従業員の責任感と安全対策への関与を獲得するには、単に物理的に存在すること以上のことが求められます。従業員の心と精神を掴むことが不可欠です。安全対策の継続的な向上は、当事者意識と、安全プロトコルや改善活動の背後にある根拠に対する深い理解なしには達成できません。

人間は本来、好奇心旺盛な生き物であり、常に知識と洞察を求めています。この特性は、しつこく「なぜ？」と尋ねる幼い子供たちにも表れています。「私がそう言ったから」といった軽々しく答えることは、さらなる疑問と不満を招くだけです。新しい情報や経験に触れると、私たちの脳はそれを過去の経験と比較します。何か目新しいものや馴染みのないものには、しばしばすぐに得られる明らかな利益とは無関係に、好奇心が掻き立てられます。

安全性の向上を追求することは大きなメリットをもたらしますが、関係者全員にそのメリットを伝える必要があります。安全性向上への取り組みの根拠をビジネス用語のみで提示すると、文化の発展に不可欠な学習と批判的思考力の育成を欠いた、無思慮な従順さを助長するリスクがあります。「やらなければ、何もできない」という従来のアプローチ、つまり文脈を無視して安全規則を強制するやり方は、職場での遵守を促すことはできるかもしれませんが、その遵守はそれ以上の広がりを示さないことがよくあります。理解することなく従うことが求められる環境では、監督なしに望ましい行動が継続される保証はありません。

速度制限や警察官の存在に対する人々の反応に例えることができます。スピード違反のドライバーは警察官に気づくと減速しますが、警察官が見えなくなると再びスピードを上げてしまうことがよくあります。たとえ捕まり罰金を科せられたとしても、ドライバーは速度制限の重要性を理解せず、将来的に違反が発覚しない方法を探すかもしれません。

職場の安全という観点から言えば、従業員が結果を回避するためだけに規則を遵守することは望ましくありません。従業員が安全規制に内在する価値や、単なる遵守を超えた行動へのモチベーションを感じていない場合、義務や脅しの強化は、従業員の無関心や意欲の低下につながる可能性があります。真に安全を向上させるためには、安全対策の影響を受ける人々を、単なる標的ではなく、その受益者として捉える必要があります。この視点の転換は、従業員が義務ではなく、真の理解と意欲を持って安全対策に取り組む文化を育むために不可欠です。

HSEコンサルタントとして、私たちの役割は、こうした文化変革を促進することです。従業員を安全活動における知識豊富な参加者として扱うことで、理解と責任の共有に基づき、安全を共通の目標として重視する職場環境を醸成することができます。このアプローチは、コンプライアンスの向上だけでなく、よりレジリエンスが高く、積極的な安全文化を育みます。